このたび当寺院の境内地にて新しく永代供養墓所を構成いたしました。
今まで私が僧侶として法務に携わって参り、切実に感じていた事は、
永代供養墓所が不足しているということでありました。
少子化問題など時代の流れもあり、従来の家系の継承の意味を持つお墓から
様々な事情により、個々の永遠の眠りの地という意味のお墓が急速に必要となってきました。
私どもの寺院では、本堂に近い場所に墓所を確保し、
"仏様に近い場所で、仏様に見守られ導かれる"
そのような霊園にしてゆきたいと思います。
円光寺の本尊である阿弥陀如来立像です。
足柄の墨書銘から西本願寺御抱え仏師の(渡辺)康雲の作と分かります。
「木仏免許状」によると、寛文13年(1673)9月4日に本願寺第14世
寂如上人から下付されたものです。
ヒノキ材で、玉眼をはめ、肉身部は金泥塗り、衣部は漆箔仕上げとした、
寄木造の像です。
衆生を温かく見下ろすような感じを受け、阿弥陀如来の慈悲深さを
うまく表現したぞうになっています。
興味深いのはその構造で、体幹部は前後三材製、足柄を差し
込んでいます。
江戸時代の仏像制作における材料の節約と制作行程の能率化
が分かる良い例です。